【ワインコラム第9回】『ワインは寝かせるほど美味しい』は本当?

「ワインは寝かせれば寝かせるほど美味しくなる」
あなたもそう思っていませんか?


たしかに、ワインの世界には「熟成によって深まる味わい」が存在します。
でも実は、すべてのワインが熟成に向いているわけではないんです。


ワインボトル


今日は、「寝かせれば美味しくなる」というイメージがなぜ広まったのか、そして早飲みワインと熟成ワインの違いについて、わかりやすく解説します。



こちらのマダムグログでは、生活に役立つワインに関する情報を月3回お届け
🍷マダムのワインコラム🍷
毎月2日、12日、22日の月3回更新です

(5/22分を更新したつもりができていなくて、一週あいてしまいました💦失礼いたしました)



                  
なぜ「寝かせた方が美味しい」と
思われているの?
                

このイメージが生まれたのには、主に2つの理由があります。


① 高級ワインの多くは熟成を前提に造られている


ボルドーやブルゴーニュなどの一部の有名産地では、ワインは若いうちは酸味や渋みが強く、時間とともに角が取れて香りや味が複雑に変化する「熟成型ワイン」が多く造られてきました。

これらのワインが注目されたことで、「ワインは寝かせるほど良い」という印象が定着したと考えられます。


② 映画やドラマの影響も


「ワインセラーにずらりと並ぶワイン」「10年、20年寝かせたビンテージ」などの演出が特別感や高級感を与え、「古い=良いもの」というイメージを強めたとも言われています。


ワインセラー




👉でも実は…大半のワインは“早飲みタイプ”!

現在、市場に出回っているワインの多くは「買ってすぐ飲む」ことを前提に造られています。
つまり、寝かせることでかえって美味しさが落ちてしまう場合もあるのです。





              
早飲みワインと
熟成向きワインの違いとは?
              


数年〜数十年保管することで、風味が向上すると予想されるワイン
これを「熟成ポテンシャルがある」と言います。
古くなった時ワインとして価値があるのは、相応の熟成ポテンシャルを持ったワインだけ


「50歳の記念に誕生年のワインを買って飲んだけれど、全く美味しくなかった」という話は結構あるあるです。
40年、50年と耐えうるポテンシャルを持っているワインは実はそんなに多くないのです。



これはどちらが優れているというものではなく、それぞれのタイプのようなもの

例えば、陸上競技では短距離走の選手になるべくして練習をするのと、長距離を走るためにする練習とでは、手の振り方、力の入れ方、ペース配分など全ての練習内容が違いますよね。

マラソン

それと同じように、長期保存で熟成できるワインと、数年で直ぐ飲み頃を迎える早飲みタイプのワインでは、ブドウ品種・土壌・醸造方法などが全く違うということです。

それぞれのタイプに応じた飲み頃に飲むことで、個々の素質が十分に発揮されるというイメージです。




               
今飲むべき?保存すべき?
判断の目安はコレ!
               

一概に全てがこの通りだとは言い切れないのがワインの世界。
でも、今回はわかりやすく目安を表にまとめてみましたので参考にしてみてください👍

飲み頃目安


ほとんどのワインは飲み頃を迎えるまで、ワイナリーや卸売・小売業者さんのもとで寝かされてタイミングをみて販売されています

ですので、5,000円以内ぐらいのワインであれば購入後すぐに飲んでも問題ありません。

むしろコンビニなどで売られている物に関しては早飲みタイプなので、購入後1年以内に飲まれることをおすすめします。


ワイン


10,000円を超えるワインを購入するときや、ワインショップなどで丁寧に温度管理されているセラーに入っているワインに関しては、ショップ店員さんに扱い方を聞いてみてくださいね。




                  
🍷まとめ🍷
結局ワインは自由に楽しんでOK!
                  

フレッシュで軽やかな味わいが好きな方は、早飲みワインがぴったり。
深みや複雑さが好きな方は、熟成向きワインにチャレンジしてみても◎


値段が高いとか、ヴィンテージが古いというのと、自分が美味しいと感じるかどうかは別ですから😃
色々と試してワインとの出逢いを是非楽しんでみてください✨



大切なのは、「寝かせれば美味しくなる」と思い込みすぎず
“今味わえる一期一会を楽しむ”のが大切です


ワイン


「すぐ飲んでもいいの?」「保存しなきゃもったいない?」
そんなふうに悩まず、今飲んでおいしいと思える瞬間を大切にしてみてください。




次回は再びブドウ品種について、さらにわかりやすい記事をお届けします🍇

私がワインをどのような概念で捉えているのか、数回に分けてシェアしちゃいます✨

きっとあなたのワインへの見方が変わるはず!?



cheers to a wonderful wine life!